【入学式】 及川求校長 式辞 

2019/04/08

先日行われた入学式で、及川求校長先生がお話された
「式辞」をご紹介します。
 



4月、学校の新しい1年間が始まる月。
さらに今年は、皇位継承に伴う新元号が発表され、
まさに新しい時代の始まりを予感させる4月ともなりました。
新しい1年、新しい時代への期待が膨らむこの春の日に、
このようにたくさんの御来賓並びに御家族、地域の皆様の御臨席をいただき、
平成31年度の入学式を挙行できますことは、この上もない喜びであります。
お忙しい中、御臨席いただきました皆様に、心から御礼を申し上げます。
誠にありがとうございました。

はじめに新入生の皆さんに話をします。
まず先ほど、担任からの呼名に対し、
一人一人、緊張の中にも精一杯、立派な態度で返事・返礼をしてくれた皆さんに御礼を言います。
とても立派でした。ありがとう。そして、改めて、入学おめでとう。
皆さんのその態度に対して、
私からは「皆さんをこの学校の同志として受け入れます」ということばで応えさせてもらいました。
これは、この盛岡スコーレ高校の代々の校長が語り継いできた、
新入生諸君を迎える最初のことばです。

皆さんには3月のオリエンテーションでも紹介しましたが、
私たち盛岡スコーレ高校は、「生活即教育」つまり「机の上の勉強だけではなく、
豊かな体験と正しい生活の中から物事を学び、
実践的に身につけること」を学校の基本精神としてきました。
そしてその精神を実現するために、
「全員が額に汗して働く学校」
「先生が上で生徒は下、上級生が下級生に命令するなどといったことのない学校」
「一人一人が大切にされて、それぞれの個性や能力が存分に発揮される温かい家庭のような学校」「強制や圧迫がなく、皆が楽しく明るい自由な雰囲気の学校」
そんな学校を作ろうと努力を続けてきました。
今日から皆さんには、これからの時代に合ったより良い学校づくりに向けて、
上級生諸君や私たち教職員と力を合わせて頑張る仲間、大切な同志になってもらったのです。

今日は入学したばかりの皆さんですが、3年後には、どの人にも、自分自身のため・家族や社会のために、どのように生きて行くのが良いのか。すなわち自分自身の命の使い道を自分で考え、進む道を決める日がやってきます。
その時まで「生活即教育」の教えに従いながら、しっかりとした選択や判断ができる人になるように、特に今年度は「自信」と「つながり」を学校の目標にしたいと考えます。

「自信をもつ」とは、自分をよく知り、自分の良さに気付き直すことで、本気で自分を大切にすることができる人になるということです。
また、「つながりをもつ」とは、自分を支えてくれる人や社会に感謝し、
それらとのより良い関係を築き、保ちながら一緒に成長し合う生き方をするということです。

スコーレ高校には、自分の夢や進路希望に合わせて自分の時間割を作る学びの仕組みや、
さまざまな相談ができる担当の先生を自分で選ぶ仕組みのほか、
よその高校にはない特色ある行事や取組もたくさんあります。
皆さんが選んだ、このオンリーワンの学校で、
皆さん自身の良さと個性でオンリーワンの花を咲かせるように、
力一杯に学校生活を楽しんで行きましょう。


次に、御家族の皆様に申し上げます。
大切なお子様方の学びの場として本校をお選びいただき、
こうしてお子様方を託していただきましたこと、誠にありがとうございます。
お子様方の確かな成長を願うお気持ちを、教職員一同しっかりと受け止めるとともに、
日々、お子様方とともに成長して行けるよう努力して参ります。

近年、若者を取り巻く社会環境を見ると、
さまざまな価値観の多様化や人間関係の希薄化、IT技術の急速な進歩が生みだした課題など、
必ずしも彼らにとって恵まれた状況ばかりとは言い難いものがあります。
こうした中、生徒たちの中にも、人や社会と上手くかかわれない事に悩んだり、孤独感を訴えるような人がみられるようになってきました。
そうした時代であればこそ、私たちは、「生活即教育」という建学の精神に立ち返り、
一人一人の「自信」と「つながり」を取り戻す道を生徒たちと一緒に歩んで行きたいと思うものです。
どうか、御理解をいただき、御家庭からも御支援と御協力をお願いいたします。

結びに、御多用中にもかかわらず御臨席いただきました御来賓の皆様、地域の皆様に、
重ねての御礼と、今後より一層の御指導、御鞭撻をお願い申し上げて式辞といたします。
本日は誠にありがとうございました。

平成31年4月6日
盛岡スコーレ高等学校
 校長 及川 求

 

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